「ハリー・ポッター」シリーズに登場する魔法薬学の教授「セブルス・スネイプ」
彼はハリーがホグワーツに入学した当初から犬猿の仲であり、味方か敵かが常にはっきりしない人物でした。
今回はそんなスネイプの生い立ちや過去などについて解説していきます!
誕生日などのプロフィール

名前 | セブルス・スネイプ |
生年月日 | 1960年1月9日 |
親族 | 父:トビアス・スネイプ 母:アイリーン・スネイプ |
組分け寮 | スリザリン |
杖 | 不明 |
守護霊 | 雌鹿 |
セブルス・スネイプ役を務めた俳優は?
「ハリー・ポッター」シリーズでセブルス・スネイプ役を務めたのは、イギリスの俳優であるアラン・リックマンです。
元々はグラフィックデザイナーをしていましたが、後に演劇を学び舞台俳優になります。
1988年には大ヒットした「ダイ・ハード」で映画デビューし、映画俳優としても人気を博しました。
その後、「ハリー・ポッター」シリーズのセブルス・スネイプ役を演じて高い評価を得ます。
スネイプの独特な雰囲気を表現してくれたアラン・リックマンですが、2016年に69歳という年齢で死去しました。

スネイプの生い立ちや過去
リリー・エバンスとの出会い
セブルス・スネイプ(以下スネイプ)は、1960年にマグルが住んでいる貧困地域であるスピナーズ・エンドという場所に生まれました。
父親はマグルであるトビアス・スネイプ、母親は魔女のアイリーン・スネイプという名前です。
家庭環境はあまり良好ではなかったらしく、子供時代はいつもチグハグでみすぼらしい格好をしていました。
両親の仲も悪く、父トビアスは魔法が好きではなかったようです。
このあたりはハリー・ポッターの幼少期を思わせます。
「ご両親は、もうけんかしていないの?」
引用元:「ハリー・ポッターと死の秘宝」 スネイプの両親について話すリリー・エバンスとセブルス・スネイプ
「そりゃ、してるさ。あの二人はけんかばかりしているよ」
スネイプが9歳の頃、近くの住んでいたある姉妹に出会います。
それがハリーの母であるリリー・エバンスとペニチュア・エバンスです。
彼女らはマグル生まれでしたが、リリーは魔法力を生まれ持っていました。
しかしマグルの家庭で育ったリリーは自らの力がどういったものなのかも知らず、姉ペニチュアを驚かせたりして楽しんでいるだけでした。
スネイプは恐らくリリーとペニチュアが遊んでいる様子を影から見ていた際に、リリーが魔女であること知ったようです。
ある日、いつものようにリリーが魔法を使ってペニチュアと遊んでいるところにスネイプが現れ、リリーに向かい「君は魔女だ」と伝えます。
ところが姉妹は意味がわからず、侮辱されたと思い、その場を去ってしまいます。
初対面では上手くいかなかった二人でしたが、その後に意気投合し、スネイプはリリーに魔法界やホグワーツのことを教えます。
スネイプはリリーを影から見ていた頃から、活発で美しい彼女に恋をしていました。
この頃は恐らくスネイプの人生でも最も幸せな時間だったと考えられます。

ホグワーツでの生活
両親から離れられるのでホグワーツへの入学を心待ちにしていたスネイプでしたが、ついにその日が来ました。
リリーと共にホグワーツ特急に乗り込むと、そこで同じくホグワーツ入学を控えているハリーの父ジェームズ・ポッターとシリウス・ブラックに出会いました。
リリーにスリザリン寮に入るべきだと勧めるスネイプに対し、ジェームズとシリウスは反感を示し、互いに険悪な関係になります。彼らの関係はこのまま一生を通じて悪いままでした。
ホグワーツに入学したスネイプはスリザリン寮に所属します。
スネイプはシリウスによると、入学当時から上級生よりも呪いをしているほど闇の魔術に秀でていたそうです。
「スネイプは学校に入ったとき、もう七年生の大半の生徒より多くの『呪い』を知っていた。」
引用元:「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 洞穴でハリーたちと話すシリウス・ブラック
またそのほかにもスネイプは魔法の才能に優れていました。
魔法薬学では教科書よりも優れた薬の作り方を発見したり、新しい呪文の発明なども行なっています。
人間関係はあまり良好ではなく、幼馴染であるリリーを除くと、入学時にすでに監督生だったルシウス・マルフォイや後に「死喰い人」になった一部のスリザリン生とは交流があったようですが、スリザリン内でも浮いた存在でした。
ジェームズやシリウス、リーマス・ルーピンやピーター・ぺテグリューによる「悪戯仕掛け人」たちとの関係は最悪で、イジメとも取れる悪戯を受けていました。
一方でスネイプもやられっぱなしではなく、呪いで応戦していたようです。
またルーピンが度々居なくなる(狼人間のため)ことに気づき、彼らの周りを嗅ぎ回っていたこともありました。
煩わしがったシリウスに騙され、狼人間に変身しているルーピンのもとに向かいそうになります。この際は流石に危険を感じたジェームズに止められました。
5年生になった際、スネイプにとって最大の事件が起きます。
OWL試験が終わった後、ジェームズとシリウスの暇つぶしのために攻撃を受け、自らが開発した「レビコーパス」により宙吊りにされます。
そこに現れたリリーがスネイプを庇い、ジェームズたちを罵りますが、好きな人の前で侮辱された恥ずかしさや怒りでリリーを「穢れた血(マグル生まれの魔法使いを差別する言葉)」と呼びます。
これまでも闇の魔術に傾倒していくスネイプをよく思っていなかったリリーはこれに激怒し、後に何度も謝罪しますが彼女がスネイプを許すことは二度とありませんでした。
わたしを『穢れた血』と呼ぶつもりはなかった?でもセブルス、あなたは、わたしと同じ生まれの人全部を『穢れた血』と呼んでいるわ。どうして、わたしだけが違うと言えるの?
「ハリー・ポッターと死の秘宝」 スネイプの謝罪に対するリリーの言葉
スネイプにとってこの事件は最悪の記憶です。「穢れた血」という言葉は彼にとってトラウマとなり、二度と口にすることはありませんでした。
死喰い人時代
リリーを振り向かせるには偉大な闇の魔法使いになるしかない、と考えたスネイプは、卒業後には死喰い人になります。
ある時、ヴォルデモート卿の指示によりアルバス・ダンブルドアをスパイしていたスネイプは、シビル・トレローニーの予言を盗み聞きします。
⇒「シビル・トレローニーの予言」についてはこちらで詳しく解説しています!
もちろんスネイプはこの予言をヴォルデモート卿に伝えます。この時点では予言の子が誰かは分かっていませんでした。
その後予言の子がリリーの子供であるハリーだと分かると、スネイプは取り乱します。
ヴォルデモート卿がハリーとともにリリーも殺害すると考えたからです。
彼はダンブルドアにリリーを救ってもらうように懇願します。ハリーとジェームズはどうなっても構わない、という考えをダンブルドアは軽蔑しますが、スネイプが二重スパイになることと引き換えにリリーたちを守ると約束します。
しかしリリーたちは裏切り者であるピーターを信用したためにヴォルデモート卿により殺害され、ハリーだけが残されます。
最愛の人を亡くしたスネイプは打ちひしがれ、自ら死を望むほどでした。
ダンブルドアは必ずヴォルデモート卿は帰ってくること、そしてその際にハリーが狙われることを伝えます。
スネイプはリリーが遺した子供を守ることを決意し、以後ホグワーツの魔法薬学の教授としてダンブルドアに仕えることになりました。
本編での活躍
ハリーの入学
1991年、ついにホグワーツにハリー・ポッターが入学します。
ハリーは初めてスネイプと目を合わせた際、スネイプの目からのはっきりと嫌悪感を感じ取りました。
それは間違っておらず、初めての魔法薬学の授業ではハリーに難しい質問をぶつけて答えられない様子を楽しんでいます。
仇敵であるジェームズの生き写しであるハリーに対して、並々ならぬ憎悪を燃やしていました。
「——凡庸、父親と同じく傲慢、規則破りの常習犯、有名であることを鼻にかけ、目立ちたがり屋で生意気で——」
第7巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」第33章 プリンスの物語 ハリーについてダンブルドアに報告するスネイプ
しかし「ハリーを守る」という誓いは守っており、クィリナス・クィレルとヴォルデモートの企みを阻止します。
第3巻「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」では、同期でジェームズ、シリウスの親友だったルーピンと同僚になりました。
ただジェームズたちとは異なり、学生時代ルーピンはスネイプの虐めに加担しなかったことから、それほど険悪な関係ではありませんでした。
ルーピンに調合が難しい「脱狼薬」を煎じて部屋まで運ぶシーンもあります。
第3巻終盤、脱獄したシリウスを追い詰めたスネイプは、事実などお構いなしで「吸魂鬼」に身柄を明け渡そうとしました。
第4巻「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」では、ヴォルデモートが復活したことにより、ダンブルドアの指示で死喰い人として馳せ参じます。
長期間ダンブルドアの下に居たことから、ヴォルデモートや他の死喰い人から疑われており追求を受けますが、ヴォルデモートすら騙し通すほどの「閉心術」で信頼を勝ち取りました。
第6巻「ハリー・ポッターと謎のプリンス」では、物語が始まる前に分霊箱を守る強力な呪いを受けたダンブルドアを救います。
しかし熟達した魔法使いであるスネイプの手を持ってしても、ダンブルドアの右手に呪いを封じ込めることしか出来ませんでした。
やがて広がる呪いのせいで余命1年となったダンブルドアは、暗殺計画を命じられたドラコ・マルフォイを救うためにもスネイプに自身を殺害するように命じます。
そして約1年後、ホグワーツで起こった「天文台の塔の戦い」にて、ダンブルドアを「死の呪い」で殺害しました。
第7巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」では、ダンブルドア亡き後にホグワーツの校長に就任します。
ヴォルデモートの腹心の部下としての立場を維持しながら、死喰い人でホグワーツの教授となったカロー兄妹から極力生徒を守る、という難しい任務をこなしました。
また、ハリーたちに気づかれないように「グリフィンドールの剣」を与え、分霊箱の破壊に裏から協力します。
二重スパイの任務をほぼ完璧にこなしていたスネイプでしたが、最終決戦となった「ホグワーツの戦い」にて、ニワトコの杖の忠誠をスネイプが勝ち取っていると勘違いしたヴォルデモートに手によって、ナギニに噛み殺されました。
死の直前、ハリーに自身の記憶を渡し、ヴォルデモートの「最後の分霊箱」の存在について明かしています。
⇒ヴォルデモートが意図せず作成した「最後の分霊箱」についてはこちらで解説しています!
スネイプに関する5つの事実
半純血のプリンス
スネイプは学生時代に自らを「半純血のプリンス」と称していました。
由来は父親がマグルのため反純血であること、また母アイリーンの旧姓がプリンスだったことから来ています。
スネイプとハリー、そしてヴォルデモート卿の共通点
スネイプとハリー、そしてヴォルデモート卿の共通点として不遇な幼少期とそこから来るホグワーツへの愛があります。
彼らは十分な愛情を受けることなく育ちました。そのため育った家庭や環境をよく思っておらず、ホグワーツが初めての家だと考えていました。

ヴォルデモート卿への忠誠
スネイプはリリーへの愛からヴォルデモート卿から離れ、二重スパイとして活躍します。
しかし元々は闇の魔術に没頭しており、ヴォルデモート卿への忠誠も確かに持っていました。
続編である「呪いの子」では闇の陣営が勝利した未来が描かれており、史実でヴォルデモート卿に殺害されることを聞いても「闇の帝王の手にかかったなら光栄だ」と語っています。
守護霊
「パトローナスの呪文」は自身を投影した動物の守護霊を出現させ、「吸魂鬼(ディメンター)」から身を守ってくれます。
スネイプの守護霊は雌鹿であり、これはリリーも同様です。
スネイプのリリーを愛する気持ちが伺えます。

また守護霊の動物はその人物の精神状態などによって変わることが分かっており、ニンファドーラ・トンクスはルーピンに恋してから守護霊が狼に変わりました。
リリーの死後、スネイプの彼女への気持ちが薄れていれば守護霊が変わっていてもおかしくないですが、15年以上経っても守護霊は雌鹿のままでした。
これはリリーへの変わらぬ愛を示しており、雌鹿の守護霊を見たダンブルドアは静かに涙を流しました。
「これほどの年月が、経ってもか?」
引用元:「ハリー・ポッターと死の秘宝」 校長室でのスネイプとダンブルドアとの会話
「永遠に」
閉心術
ヴォルデモート卿が失墜した後、スネイプはホグワーツの教授としてダンブルドアの庇護の下にいました。
これにより死喰い人たちからは裏切り者と認識されており、復活したヴォルデモート卿自身もそう考えていました。
スネイプはもちろんヴォルデモート卿に詰問されますが、再び信頼を取り戻しています。
ヴォルデモート卿は「開心術」の達人として知られており、彼の前で嘘をつくことは誰にも出来ないと思われていました。
ヴォルデモート卿自身も関心術に自信があったため、スネイプは嘘をついていないと判断したのです。
しかしスネイプはそれを上回るほどの「閉心術」の使い手であり、ヴォルデモート卿の追求を巧みにかわし、二重スパイの任務を完璧にこなしました。
まとめ
スネイプはその生涯を一人の女性への愛のために生きた人物でした。
真相を知ったハリーは自身の子供にセブルスと名付けたほどです。
一方で確かに闇の一面も持っており、手放しで善人だったとは言えないところも彼の魅力だと思います。
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それではまた!
コメント
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